クリナイ新作の表題曲アテルイの解説をしようと思います。 この曲は15分を超えるのですが細かくテーマ別に設定されているのでCDをかけながらこの文章を見てイメージを抱いて頂けたら幸いです。 0:00-0:24「騎馬軍団のテーマ」 霧が晴れようとする小高い丘の上にエミシ達の騎馬軍団その数500が一団となって現れると言う序章です。 カメラアングルは馬の足元と土ぼこりから少しずつ上に上がっていき、丘の上から見下ろす平原には朝廷軍10万の兵が密集している。 0:24-0:54「アテルイのテーマ」 アテルイの号令と共にエミシ軍がいっせいに丘を下り朝廷軍へ突進する所です。 もちろんこのメロディを口ずさみながら。 0:54-1:34「朝廷のテーマ」 場面は変わり都で参議達がエミシ征伐について語り合っているところです。 きらびやかな建物の中の暗い密室で口を手で覆いながら笑ってる。 首から上の表情は闇で見えない。 1:34-1:53「エミシのテーマ」 また場面は変わり、陸奥のエミシの村が写し出されます。 天と地の恵みを愛し、穏やかに生活している姿です。 1:53-2:05「朝廷のテーマ」 ついに朝廷の大軍を陸奥へ送るのである。 2:05-2:18「結束のテーマ」 戦う術を知らない陸奥の人達はなぶり殺され、生き残るものも奴隷になるしか道はなかった。 この場面はエミシの村の長老が嘆いてるところです。 2:18-2:24「朝廷のテーマ」 欲の力で突き進む朝廷軍。 2:24-2:36「結束のテーマ」 エミシの村は焼かれ人々の心も荒んでいく。 2:36-2:49「朝廷のテーマ(さらなる弾圧)」 2:49-3:14「結束のテーマ(問いかけ)」 弾圧の炎の中からアテルイと言う1人の若者が朝廷に反旗を翻します。 その勇気の波は少しづつ陸奥全土に拡大していくのです。 彼らはただそこで今までと同じように生活したいだけなのです。 3:20-3:43「願いのテーマ」 共に戦う決心をした有志がアテルイに付いて語る場面です。 無欲こそが最大の武器です。 3:43-4:05「エミシのテーマ」 エミシ軍は朝廷軍を追い払います。 活気が戻って来たエミシの村を写し出します。 4:05-4:17「朝廷のテーマ(最強の敵)」 最強将軍、坂上田村麻呂を最高指揮官にした10万の兵が進撃を始めます。 4:17-4:42「結束のテーマ(挑戦)」 エミシ達はアテルイの元ひとつにまとまり、エミシとして生きる誇りを感じるのです。 ただ愛する人、そして愛する場所を守りたい。 それだけなのです。 4:48-5:36「願いのテーマ」 またエミシの有志がアテルイに付いて語る場面です。 今度は複数で語ります。 曲で言うと願いのテーマはサビにあたるのかな? 5:36-5:48「戦いのテーマ」(キーボードソロ) ここからソロパートに入ります。 場面は戦場で朝廷軍がずんずん木々をなぎ倒し人を諌めながら攻撃してます。 朝廷側に立ったテーマです。 5:48-5:54「祭のテーマ」 エミシの村では夜通し踊り続けます。 アテルイ達の勝利を願い。 誇りを胸に踊り続けるのです。 大きな炎の周りを村の皆で踊っている場面です。 5:54-6:07「戦いのテーマ」(ギターソロ) また朝廷軍が進撃してる場面です。 基本的に首から上は闇で覆われてます。 欲の力で押し進めます。 6:07-6:37「祭のテーマ」 エミシの村に朝廷軍の魔の手が伸びます。 ここにはアテルイの家族もいるのです。 口元だけ不気味に笑う兵士達。 あ〜危ない! 6:37-6:56「戦況打破のテーマ」(ギターソロ) 間一髪のところでアテルイ達がやって来て、朝廷軍を追い払います。 エミシ軍は個々の力では圧倒的に強いのです。 (これは「日本書紀」にも記載されてる事です。) 6:56-7:18「エミシのテーマ」 アテルイ達エミシの勇者に村の皆で感謝します。 子供たちは早く大きくなりエミシ軍で戦う事を願うのです。 7:18-9:16「真の心のテーマ」 この曲のハイライトのひとつですね。 場面は胆沢の山。 満天の星空。 ベースソロは星空のイメージ。 エミシ軍勝利による村人の歓迎の宴から抜け出し、アテルイは戦友達を誘い生まれ育った山にやって来ました。 ここでの歌声はアテルイの声です。 ここでアテルイは戦いを終わらせる事を告げるのです。 戦いを終わらすとは自分が死ぬ事です。 自分がいる限り戦いは終わらない。 小さな子供達の未来に戦いを残してはいけない。 今日の村びとの様子を見てそう悟ったのです。 他の皆もアテルイと共に戦う事を決意します。 夜は明け、太陽の光りが包み込む時アテルイ達は最後の戦いに向かう為、立ち上がりました。 このギターソロは朝日かな? 9:16-9:28「俺を信じろ」(ギターソロ) -9:40「俺を信じろ」(キーボードソロ) -9:53「俺を信じろ」(ギターソロ) この俺を信じろシリーズは最後の戦いで散っていくエミシ軍の勇者達を画いてます。 -10:05「俺が楯となる」(ギターソロ) 次々散っていくエミシ軍の中でアテルイは戦い続けます。 エミシの誇りを示す為に。 -10:30「勇者アテルイ」(ギタ&キーボードソロ) そしてついに坂上田村麻呂との一騎討ちを果たすのです。 2人の強力なオーラがぶつかり、風が渦を巻き龍のように空高く舞い上がる。 10:30-10:55「朝廷のテーマ」 アテルイは捕われ都へ護送されます。 ここでハイヤーとワイヤーというかけ声が出て来ます。 ハイヤーは都の人達がアテルイに対し罵声を浴びせてる声で、ワイヤーは同じエミシ達が「やっぱりダメじゃん」と落胆してる声です。 ここでアテルイは処刑されます。 10:55-11:26「祭のテーマ(胸騒ぎ)」 遠く離れたエミシの里では皆不安でいっぱいです。 アテルイは死んだのか?これからどうなるのか? 動揺し心乱れます。 その時。 山の向こうに大きな雲のようにアテルイの姿が現れるのです。 そして言うのです。 俺はいつでもみんなの側にいるよ。 11:26-12:15「願いのテーマ(永遠の心)」 エミシの心はひとつになります。 欲望は真実にはなり得ない。 全てを受け入れ感謝するだけ。 アテルイの言葉を語り継ごうと思うのです。 12:15-12:45「夢は終わらない」 エミシ村の1人が空に向かいこのメロディを口ずさみます。 それの続いて村人が少しずつ口ずさみ始めます。 ちとくさい演出ですが。 12:45-13:14「アテルイのテーマ」 1人の男の子が一歩前に出て雲のようなアテルイに向かい「アテル〜イ!」と叫ぶのです。 そして全員で大合唱です! 涙を流している人もいます。 心の底から叫びます。 くさいくらいが良いのです! 13:14-13:51「幻の騎馬軍団のテーマ」 これもソロパートです。 ギター〜キーボード〜ギターと続きます。 陸奥の青い空をアテルイ達勇者が駆け降りて来る場面です。 龍が空を駆け巡り去っていくようなイメージです。 その姿はエミシ達の勇気となり深く心に刻まれます。 13:51-14:13「アテルイのテーマ」 また全員で大合唱です。 動物達や草花も一緒に歌ってもいいですね。 全ての生きとし生けるものに贈る。 14:13-エンディング「遥かなる大地」 龍のようなアテルイ達が去った後に、1頭の黒い馬が丘の上にいました。 大きくて美しい馬です。 馬は飛び跳ねたりこちらを振り返ったりしながら、少しづつ遠ざかっていきます。 風は草原を優しく揺らし、馬の身体が太陽の光を眩しいくらい写し出します。 以上、アテルイテーマ別解説でした。 クリナイの話ではアテルイは死んではいない事になってます。 英雄に死は必要ないのです。 |